ホーム お知らせ 全国介護付きホーム協会からのお知らせ 【被災地支援】被災特定施設に支援スタッフを派遣しています(15) 第10チーム(5月30日〜6月1日)

2011年6月17日 お知らせ

【被災地支援】被災特定施設に支援スタッフを派遣しています(15) 第10チーム(5月30日〜6月1日)

 一旦終了しておりました支援スタッフの派遣について、社会福祉法人杜の里福祉会が運営するハートフル仙台様が、避難されていた隣接の特養からケアハウス棟にお引越しされることをお伺いし、臨時的にお手伝いをいたしました。今回は、一度、支援スタッフとしての経験のある方にお声かけし、以下の5名の方にお願いいたしました。

 支援スタッフからのレポートで報告に代えさせていただきます。

■5月31日(火)引越し当日

 ハートフル仙台に向かう車中約1ヵ月前にお会いしたご入居者の皆様やスタッフの方々にお会いできることの嬉しさと覚えてくださっているかとドキドキしていた。
 目に入ってきたのが1ヵ月前とあまり変わらない若林区の荒れ果てた敷地だった。しかし「何かが違う」とふと感じていると目にまぶしいばかりの緑の雑草が津波など知る由も無い様子でうっそうと所々に生命の息吹を語っているように生えていた事が印象に残った。
 前回の支援時に関わりのあったご入居者やスタッフの方々が顔を覚えていてくださり、笑顔で迎えてくれた。ご入居者の皆様は、ご自分のお部屋に帰る事で嬉しい気持ちいっぱいのご様子。
 自立の方の引越しと荷物・寝具類の移動を先に済ませ、午後は残りの方の移動と片付け・清掃だった。ケアハウスの副施設長を中心に、スタッフの方々が事前の準備と当日の役割をしっかりなされていたので大きな問題や事故もなくスムーズに事が運んだと思われる。
 午後の移動ではご入居者一人に一人のスタッフが付き添いお部屋までお連れした。途中の階段をゆっくりと一段ずつ下りたり上ったりしてお部屋に到着、皆様お部屋に入るなり「ありがとう」の笑顔。
 ケアハウスの清掃は改めて津波の凄さを感じるものであった。床にこびり付いた泥は何回拭いても取れず、窓やドアのサッシに入り込んだ草や泥はいくらかき出しても次から次へと出てくるので悪戦苦闘した。しかし、きれいになった窓や床を見た通りかかりのスタッフの方々が口をそろえて「わぁすごい、きれいになった」と声をかけてくださる事が嬉しくて疲れなどふっとびまだまだ何かできる事はないかと思っているうちに掃除の支援終了となった。

■6月1日(水)引越し翌日

  施設全体の朝の申送りに参加させていただいき、その日の連絡事項を確認しあい参加者全員で施設の理念を唱和され、身が引き締まる思いだった。
 昨夜は大きな問題もなく皆様各お部屋で休まれた様子。引越しにともない何か困った事はないか?手伝いが必要な事はないか?環境変化によっての不安があるようなら傾聴してほしいとスタッフの方からご指示をいただく。
 支援スタッフ4人で各お部屋に訪室するが、玄関先で「大丈夫です。自分でやらないと余計わからなくなるので」と言われ、遠慮される方もいらっしゃったが、「待っていたのよ、○○が壊れているみたいで見てちょうだい」「ベッドを動かしてほしいんだけど」「電気がつかなくて…」「洗濯機のスイッチが…」と頼ってくださった方が多かった。また「一人で淋しくてどうしようと思っていたのよ、話し相手になってちょうだい」と言われご自分の生い立ちから現在までや、お子様お孫様等のお話しをしてくださった。気兼ねなく「一人で居られる」と嬉し涙をこぼされる方もおられた。
 また、避難先での相部屋生活や毎日のアクティビティは、入居者同士の交流を深めさせたと思う。外廊下で集い、楽しそうに会話をされている一面も垣間見え、避難生活で得られた副産物は、微笑ましい光景に映った。
 反面、施設職員の疲労は、前回支援時よりも鮮明に感じ取る事が出来た。殆どの職員が被災者であり、先行きが見えない生活、非常なストレスに耐えながら、他人の支援を続けている。副施設長は、立っているのもやっとという状態だった。震災されてからの休暇状況をお伺いをしたら「明日から少し休む」と笑顔で言われていて、少し安堵した。

 なお、ウェルフェアー多賀城様、ケアハウスうらやす様にも、それぞれ避難先を訪問し、ご様子をお伺いいしております。

 これらの施設が早く落ち着いた生活に戻ることができることをお祈りするとともに、お引越しなど人手がかかるときにはお手伝いにお伺いしたいと考えております。