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2011年8月8日

「介護保険サービスに関する関連団体懇談会」にて市原代表理事より意見陳述を行いました。

 8月8日に開催されました「介護保険サービスに関する関連団体懇談会」において、当協議会より市原代表理事が参加しました。

 

 冒頭、大塚厚生労働副大臣より、この会の趣旨について「平成24年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて、介護給付費分科会とは別で皆様にお集まりいただいた。これまでに老健局中心にいろいろと情報はいただいているが、6年に1度の同時改定なので、改め現場の意見を改めてお聞きしたい。本日の意見は、介護給付費分科会に老健局長を通じて報告し、改めて来年の改定に向けて十分な検討をしていきたいと思っている」とのご挨拶がありました。

 

 市原代表理事の発言の概要は以下のとおりです。

 

■はじめに
 ・介護保険について、社会保障制度のインフラとして大変重要であるということは全国民の認識であり、介護保険制度の安定的なかつ長期的な制度設計をお願いする。
※この発言に対し、後で介護事業者の代表として大塚副大臣から意見を求められました。

・24時間定期巡回・随時訪問サービスとサービス付き高齢者向け住宅の組合せはこれからの有力な選択肢になると思うが、特定施設は、住まいとサービスが一体的、包括的、総合的に提供されており、すでに大きな役割を果たしている。

・このような状況の中で、経営者としての責任が大きいことを意識して、お互い競争しながら、信頼を勝ち得ていきたい。
■具体的な要望
 5月30日の介護給付費分科会における要望の繰り返しとなるが、4点申し上げる。

(1)処遇改善交付金の基本単価への組み入れ
介護職員の処遇改善交付金は平成24年度で期限がきれるが、これがどうなるか非常に注目している。介護職員の処遇改善交付金は、本来職員の給与という面で取り入れられているものなので、交付金ではなく、介護報酬の基本単価に組み入れていただきたい。介護職員の処遇改善交付金は、職員の離職率減少に大きな効がでている。介護職員の処遇改善交付金が廃止されると介護職員1人あたり1万円から2万円くらいは給料が減ってしまうのではないかと心配している。

(2)地域区分単価設定の実態に合わせた見直し
介護施設の介護報酬の決め方においては、総収入に対する介護職員の人件費比率によってグループ分けされている。3年前、特定施設は人件費比率の設定が60%のグループだったが、45%の最低基準のグループに組み替えられた。実際には、介護関係収入だけに占める人件費比率では、70%弱である。特定施設の人件費比率が45%となっている背景には、特定施設の入居者負担のうちハウスコストが総収入に含まれているとみている。総収入による人件費率ではなく、介護関係収入の人件費比率により介護報酬を決めていただきたい。

(3)夜間看護体制加算の増額、訪問看護を使えるような仕組みの創設
特定施設で長く入居している場合は、終末期、看取りを迎える方も増えてくる。看護師を24時間配置することが望ましいが、なかなか難しい。特定施設の夜間看護体制加算の金額は低いため、24時間の看護師の配置が配置しきれない。夜間看護体制加算の上乗せをして24時間看護師を配置しやすい環境にしていただくか、訪問看護を使える体制を認めることも検討していただきたい。

(4)介護保険を利用した短期利用への対応 特定施設の短期利用の需要がある。現在は、介護保険の短期の利用は認められていないが、社会の需要に見合うための対策としても特定施設の短期利用について、介護保険を使った形での利用を認めていただきたい。

介護保険サービスに関する関連団体懇談会の様子

市原代表理事(正面)、西澤事務局長(右奥左側)、長田事務局次長(右奥右側)

市原代表理事(正面)
西澤事務局長(右奥左側)
長田事務局次長(右奥右側)

市原代表理事の挨拶

市原代表理事の挨拶

 

参加団体(15)と大塚副大臣、老健局長等

参加団体(15)と大塚副大臣、老健局長等

 意見陳述後の質疑においては、大塚副大臣が市原代表理事を指名して、介護サービス事業者の代表として共通認識の回答を求められる場面がありました。「民間事業者として多様なニーズに対応すること」を趣旨とした説明をしております。


 そのほか、高齢者支援課長が特定施設の指定拒否権限について、「地方自治体がそれぞれニーズを把握して介護保険事業計画を作成しており、地方自治体の強い要望により指定拒否権限が設けられた。来年度からの介護保険事業計画では地域のニーズ・実態を十分把握して作成することになっているので、このような指定拒否というものは少なくなるとみている」と発言されました。

 平成24年度介護報酬改定にあたっては、今後、介護給付費分科会において議論が続けられます。秋には介護事業経営実態調査結果などを基に議論され、来年1月に答申がなされる予定です。