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2015年6月17日

平成27年度 定例研究会「地域包括ケアの担い手を考える」を開催しました。

 平成27年度総会に続いて、定例研究会を開催しました。

 今回は、国際医療福祉大学大学院教授の堀田聰子先生を講師に迎えて「地域包括ケアの担い手を考える」をテーマに、「人材確保」の観点から見た「地域包括ケア」についてご講演頂きました。

 

グループワークの様子

 講演の前半は、介護労働市場の現状報告や介護人材の定着・確保のための方策の分析についてお話いただきました。スタッフが就業を継続したいと思うためには、職場におけるキャリアパスよりも勤務先のサービスを「利用したい」と思えるかどうかが影響しているなど、根拠に基づく鋭いご指摘をいただきました。

 講演の後半では、地域包括ケアに関して、長期ケアを「地域ケア」として再編・充実することや自立を支え合う共生のまちづくりについて世界の潮流や学術的な整理とともに、滋賀県東近江市の「魅(み)知(ち)普請(ふしん)曼荼羅(まんだら)」の事例等をご紹介頂きました。

 会員の皆様は、様々な視点からの堀田先生のお話に耳を傾けられ、改めて「人材」「地域」について考えるきっかけになったと思います。

 自分の住み家で、自分ができることは、自分で行う。助けが必要な時は、医療・介護の専門職チームに加え、様々な地域の資源が1つの“ 輪 ”となる本人を「主体」とする関係を創り上げるには、どうすればよいか? どのような取り組みにより実現可能か? ひとり一人が、考える時期に入ってきていると思います。

 超高齢社会に向かって、人材確保が困難になる懸念や介護報酬に対しての先行き不安等が、どの会員様にもあるかと思います。「地域包括ケア」の構築に、「特定施設事業者に何ができるのか?」を改めて考えさせられた講演でした。

 

 定例研究会後のアンケートでは、「データに基づく“地域包括ケアシステム”のあるべき姿と課題を理解することができました。」、「現場とご入居者を見つめる新たなる視点を持つことができました。」、「地域包括ケアシステムとは高齢者のみのシステムではなく、地域全体の住人に対するシステムなのだという事に、目からうろこでした。」等のご意見をいただき、今回の研究会に対する関心の高さがうかがえました。

 また、今後研究会で聴きたいこととして「人材確保」、「認知症ケア」、「地域包括ケア」というキーワードを多くいただきました。他にもご関心のあるテーマ等がございましたら、是非お聞かせ下さい。今後も会員の皆様のお役に立てるような研究会を考えて参ります。