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2008年3月3日

平成19年度第2回定例研究会-近畿ブロック会員活動(合同開催)-

 おひな祭りの3月3日、新大阪のチサンホテル会議室にて、「ケアハウスの為の講演会」と「近畿ブロックの会員活動」の合同企画として、第2回定例研究会を開催しました。全国のケアハウス(指定特定施設事業者)から27名(19法人)、そして近畿ブロックの会員31名(24法人)が参加されました。

 

 第1部は、厚生労働省老健局振興課谷山課長補佐から「特定施設を取りまく状況と介護保険制度見直しの方向性について」、そして当協議会中辻代表理事からは「増大する高齢者住宅のニーズと特定施設の将来」~ケアハウス事業者から見た特定施設の効果的な活用~の、ご講演をいただきました。引き続き第2部は、 6人位のグループに分かれ、情報交流会・グループ討議を1時間ほど行いました。

 

 谷山課長補佐には、パワーポイントに整理されたグラフや表を参考に、現在の高齢者の意識調査の報告、平成17年法改正のねらいと確認、療養病床の再編成と医療法人の経営可能となった高専賃等の説明、更に介護事業運営の適正化や介護労働力の問題、厚生労働省と国土交通省連携による団地エリアの再生についてなど、近畿地区の具体的な例を挙げながらご説明いただきました。

 

 会員からは、既に知っている情報の復習や整理であったとの声も聞かれ満足度がやや低かった様子もありましたが、ケアハウス事業者の皆さんには「大変満足」との返答をいただきました。来年の法改正等を前に、特定施設を取りまく状況を確認できた良い機会でした。谷山課長補佐は最後に、「法令遵守の徹底」「ケアの質の向上・職員のスキルアップ、入居者保護の充実」をお願いされ講演を終えられました。

 

 つづけて中辻代表理事より、現在の厳しい経済財政状況、そして少子高齢化に向けて中長期的基盤での経営の方向性、介護保険だけに頼らない経営方法、離職を抑えそして人材育成の重要性など、解りやすく熱く講演していただきました。

 

 第2部の情報交換会は、ケアハウス、有料老人ホーム、そして両者の混合と合計8つのグループで討議しましたが、人材確保の問題をはじめ様々な問題が討議されていました。各グループで検討した内容は、下記をご覧ください。

 

グループ 話題に上がったテーマ 具体的に話合われた内容
A ①通院は特定施設職員がどの程度対応するか?

②上乗せ介護費に活用について

③要介方に提護の供するサービス内容について

○H20.4.1より在宅支援診療が一般診療所でも算定可能となるので、往診対応を検討してはどうか?

○行政に解りやすく説得できる計画書を作成する。

○何をして欲しいか確認をし、不安を取り除いて。


(ケアハウス)
①受診対応について

○受診については、ケアハウス時の対応や地域性の問題も影響し、家族対応が主である施設と職員対応が主の施設がある。

○どの施設も、それまでのかかりつけ医を尊重して対応している。

②上乗せサービス費について

○上乗せサービス費は、地域性や方針により、徴収していない施設もある。

○自立者と要介護者との接遇が難しい。(食事の場所や時間の共有など)

○重度の要介護者の場合、ハード面で問題があり、管理が難しくなると予想される。


(ケアハウス)
①施設への入居受け入れ介護レベルについて
②職員人員確保について

○病院が近くにあることで、重度の要介護の方も受け入れている。

○設備的な問題で、重度の方の入居をお断りする場合もあり、対応に気を使っている。

○重介護になった時、サービス継続が難しく検討中。(併設特養への移り住みは・・・)

○募集をしても応募が無く、確保が難しい。

(有料老人ホーム)

①人員配置について

②生活援助の内容について

③現場で問題となっている事

○少々愚痴も話せた。

○ヒヤリハットの事故報告書の書き方を理解していないスタッフが多くて・・・

○介護と看護スタッフの関係が上手くいかない。マニュアルをきちんと作り、役割をはっきりさせると良いのでは・・・・

○接遇など特定協でリーダークラスの研修をして欲しい。


(有料老人ホーム)

①勤務体制・介護体制について

②運営で問題になっていること

○看護師の休日確保や夜勤体制について

○リーダー的スタッフの不在をどう解決?

○スタッフのモチベーションを上げたい。

○救急対応や緊急時の対応について話す。

○不穏時の対応について意見交換

○医療的処置をめぐっての、介護と看護連携の問題など

F
(有料老人ホーム)

①増える入居者のニーズに答えるには・・・

②認知症ケアについて

③入居者のトラブルについて

○週1回で決めているが、買い物代行の希望が多い。有料化?スタッフ増やす?

○入居者のニーズに全て対応するだけでなく、状況やサービスの基準を理解していただくのも重要ではないか。など

G
(ケアハウスと有料老人ホームの合同)

①人件費の捻出が困難な状況

②人材確保の方法

③ケアハウス退去時の現状復帰に関する費用負担について

○重度の方(要介護4~5)も入居している。

○併設施設の職員活用、兼務の工夫。看護師の確保を。加算をとる検討を。

○職員の知り合いや口コミで募集を計っている。ミニコミ誌活用や地域へ発信を。パートの活用もはかっている。

○消耗品については契約時に説明しておき負担してもらう。利用者の破損については、証明できるようにしておく事が大事。

H
(ケアハウスと有料老人ホームの合同)

①値上げの手続きについて

②重要事項説明書の重要性

③ケアハウスの管理費について

④身体拘束の対応について

○付加サービスによる費用の徴収を。

○重要事項説明書に、明記されていない内容への対応方法について話す。

○ケアハウスの管理費の今後と対応は、どのように考えるか。など

 財団法人ライフクリエイト事業団 ライフ・イン京都の常務理事で、当協議会明石理事は「今後の介護付有料老人ホーム・特定施設においては?医療に強い有料老人ホームでないと経営が困難になってきており、医療との連携・協力体制の強化が求められる、?人材確保について、トップダウンではなくボトムアップ出来る風通しの良い職場・社風、環境整備が必要である、?透明性があり、モラルを重視した施設運営と情報開示が重要である」という言葉で、講評を締めくくり本会は終了となりました。参加人数は少なかったのですが、理事・講師の方、そして事務局員やお手伝いの方(近畿ブロック会員事業者より)も積極的に情報交換に加わり、アットホームで和やかな情報交換会でした。

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