平成25年1月17日、日本教育会館にて、特定協としては初めての試みである、看護師の方々のみを対象とした「特定施設看護師キャリア研修会 ~暮らしを支える看護とは~」を開催いたしました。
全国の特定施設から看護師約100名が参加され、4つの講演とグループディスカッションを通じ、特定施設における看護業務の意義・遣り甲斐や最先端の医療について学んでいただきました。
株式会社誠心吉松泰子代表取締役(特定協理事)による講演「暮らしを支える看護の実践」では、暮らしを支える看護業務の意義について、また、東京大学医学部附属病院 老年病科 特任助教 山口潔先生による「認知症と在宅医療の最先端」では、最新の医療の動向について学んでいただきました。

石飛 幸三 先生
また、午後の部では「『平穏死』のすすめ」の著者である、芦花ホーム常勤医師 石飛幸三先生による「『平穏死』という選択」の講演を通じ、数々の感動的な『平穏死』の事例から、終の棲家としての特定施設の役割を再認識することができたと思います。また、株式会社ベネッセスタイルケア首都圏カンパニーエリアナースの棚橋裕子様による講演「介護職とともに暮らしを支える」では、日常の看護業務の中で、介護職など他職種との連携・協働についての数々の事例をご紹介いただきました。
その後1時間程行なわれたグループディスカッションでは、介護職員との連携、看取りなどのテーマを選択して意見交換をしていただきました。「看護職員同士の意見交換」「他の特定施設の看護を知る」という貴重な機会として、各グループとも非常に活発な意見交換が行われていました。
実施後のアンケートでは、各講演もグループディスカッションもご好評をいただき、今回のような研修会の次回開催への多くのご要望をいただいております。
【グループディスカッション後の発表内容】
- 看取りについては、ご家族側のご意向をまとめていただくことが大事。常に、窓口であるご家族とのコミュニケーションを第一に考えるべきである。
- 教育訓練担当者による職員の教育が不十分であり、有資格者のスキルの低下がみられる場合がある。そのため、看護師に業務負担が掛かる場合も多い。
- 介護職との連携において、問題点への共通理解が困難な場合は、申し送りの際、写真や絵など視覚に訴えるものを使用し、理解し易くしている。また、より良い介護、看護のため、意識が高く感度の良い職員をまずは集め、問題解決に取り組んでいくと良い。
- 看取りにおいては、ご本人とご家族への情報提供に関してガイドラインが必要である。
- 看取りのケースが増えてきた昨今、今後ますますドクターと施設長、家族間の調整役としてのナースの役割は重要なものとなってくる。
- 看護職は病気だけを看るのではなく、病人を看る仕事。20年前は3Kといわれていた看護も地位を変えてきている。介護職に対する社会の考え方も、同様に変わるときが来るであろうと思われる。









会員専用ページに当日の資料を掲載いたしましたので合わせてご覧ください。
・「暮らしを支える看護の実践」
吉松 泰子(株式会社誠心 代表取締役/特定協理事)
・「認知症と在宅医療の最先端」
山口 潔 先生(東京大学医学部附属病院 老年病科 特任助教)
・「介護職と共に暮らしを支えるとは」
棚橋 裕子 様(株式会社ベネッセスタイルケア 首都圏カンパニーエリアナース)