ホーム 活動報告 特定施設専門研修「認知症ケア」と「看取り介護」を開催しました

2016年3月8日

特定施設専門研修「認知症ケア」と「看取り介護」を開催しました

 特定施設専門研修は、介護付きホームで働かれている方を対象に講義、グループディスカッション等を通じて理解を深め、現場の悩みや不安等の問題解決の糸口となるようにと実施しております。今年度は「認知症ケア」と「看取り介護」の2つをテーマに全国9 ヶ所の会場で実施しており、後期日程を広島会場(1月22日)、東京会場(2月10日)、名古屋会場(3月8日)で開催し、平成27年度の全ての専門研修を無事に終了することができました。多数の皆様にご参加いただきましてありがとうございました(参加者数 延べ248法人528 名)。

認知症ケアの研修では、「認知症ケアから介護の専門性について考える」をテーマに全会場を同朋大学社会福祉学部社会福祉学科 准教授 下山久之氏にご担当いただきました。自施設でのケアの振り返りや介護の基本を再認識するとともに、認知症の方の心のメカニズムやコミュニケーションの大切さを学ぶことができたと参加者の多くの方に感想をいただきました。またスタッフへの意識改革へのきっかけ作りや新人職員の指導、教育のためのヒントを得られたという感想も多数いただきました。

看取り介護の研修では、「看取り介護~暮らしの延長線上にある看取り~」日本福祉大学 社会福祉総合研修センター講師 須田敏枝氏<札幌、鹿児島、神戸>、「看取り介護~特定施設における看取りの基本~」株式会社誠心 代表取締役 吉松泰子氏<新潟、郡山、東京>、「看取り介護~特定施設における看取りの基本~」株式会社想 取締役/グラード名古屋駅前施設長吉村仁志氏<埼玉、広島、名古屋>にご担当いただきました。参加者にはこれから看取りに取り組むホームも多くあり、看取りの考え方を学び、また看取りへの不安を取り除くことができたとの感想を多くいただきました。

研修内容について事後アンケートでは、いずれの講義もほとんどの会場で参加者の95%以上の方が「とても役立つ」、「役立つ」と回答いただいており本研修が参加者の意識改革や知識習得、スキルアップにつながった有意義な研修会になったものと思います。また、講義の中で他施設の方との意見交換ができて、他施設での取り組みや考え方等を聞き、良い点を吸収すると共に、自施設の良いところを振り返ることができたと思います。
ほんの一部ですが、以下にアンケートの抜粋を掲載させていただきます。

<認知症ケア>
・自分のケアの再認識と後輩にケアの方法を伝えやすくなった
・頭では分かっていても現場でできていなかった反省すべき点をあらためて認識した
・その人の生活歴を知ることがヒントになり良いケアにつながっていくということを学び、今後実践していこうと思った
・認知症の方への対応方法が明日から変わるだろうと確実に思える内容だった
・認知症への対応も含めた、新人職員へのコミュニケ ーション能力アップのためのヒントを得られた
・コミュニケーション能力の低さに気付かされた。コ ミュニケーション能力の向上とともに入居者主体の ケアをスタッフ皆で実践していこうと思った ・日々のルーチンに追われる仕事になっており、その 場しのぎの対応になっている。入居者の発言、行動 を冷静に様々な角度から考えて行動していきたいと 思った
・「認知症を見るのではなく人を見ること、理念と現 場を近づける」という言葉が心に残った

<看取り介護>
・これから看取り介護を取り組んでいくにあたり「看 取りとは?」を学び、心構えが分かり、看取り介護 に対しての不安がなくなった
・看取りを特別なケアと考えていたので、暮らしの延 長線上にあるという新しい考え方を持つことができた
・プロとしての意識、施設職員としてどのような「生」 と「死」を見つけることができるのかを考える必要 を感じた 
・人として認められている、愛されている、必要とさ れている、自分も愛を注ぐ等の想いは生きていく上 で最も大切だと明確になり、心に銘じて入居者に関 わっていこうと思った
・特定施設での入居者に対するケアについて、具体的 にイメージすることができた。「認められること= 人として生きること」をスタッフに伝えようと思う
・介護職は、入居者の人生観や死生観を考え、人生の 終焉で大輪の華に彩りを加えることができれば、看取りに対していままで不安や心配と感じていたこと が、介護職としての誇りと感動に変わるのだと教え ていただけた
 最後に、アンケートでは今後の特定施設専門研修に ついて、同じ講師によるレベルアップした研修を受け たい、同じ研修を職場の他の職員にも聞かせたいとい うご意見が多く、またリスマネジメント研修、口腔ケ ア・嚥下研修、身体拘束、ケアマネジメント、アクテ ィビティ等々の研修も企画してほしいと言ったご要望 が多く寄せられています。いただいたご意見を参考に 介護付きホームで働いている皆様に役立つ研修を今後 も企画して参ります。