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2014年8月5日

特定施設専門研修(大阪会場)を8月5日にCIVI研修センターで開催しました。

 平成26年度特定施設専門研修(大阪会場)を8月5日にCIVI研修センターで開催しました。今回の研修には、46法人(会員35法人、一般11法人)、101名(会員88名、一般13名)にご参加いただきました。

看取り介護
講師:吉村仁志氏

 第1部では、株式会社想事業本部長の吉村仁志先生が、「看取り介護~特定施設における看取りの基本~」をテーマに研修を行いました。

 吉村先生は、「看取り介護においてもっとも大事なものは人間関係である」としたうえで、人間関係構築のために必要な2つの要素を考えるペアワークを実施しました。また、吉村先生が体験した具体的な看取りの事例を交えながら、家族全員の同意を取ることが看取りの必須条件になることを講義しました。

 また、特定協理事で株式会社誠心代表取締役でもある吉松泰子先生の看取りへの考え方を引用しながら、有料老人ホームにおける看取りは、家族として見て寄り添う“見取り”であることを説明しました。また、死に立ち会った経験が少ない介護スタッフ向けの研修で活用できる映画や絵本の紹介もしながら、高齢者の死は怖いものでも、汚らわしいものでもなく、とても穏やかなもので、介護という仕事のやりがいは、死を見届けることにあると思うと述べました。看取りは介護職、看護職、ケアマネジャー、ご本人・ご家族とが、車の四輪のごとく同じ方向を向いて歩調を合わせることが重要であるとも指摘しました。

 

認知症ケア
講師:伊東美緒氏

 第2部では、東京都健康長寿医療センター研究所研究員の伊東美緒先生が、「認知症ケア~ユマニチュードを理解する~」をテーマに研修を行いました。ユマニチュードとは、人間らしさの回復というフランス語の造語であること、ケアの対象者に“あなたは大切な存在なんだ”と相手が理解できる形で伝えることが重要であること、これは認知症の人に限定したテクニックではなく、人とかかわる際の理論と包括的なテクニックであること、などを紹介されました。研修内では、「見る」「話す」「触れる」の技術を使いつつ、認知機能の低下した人にメッセージを伝える実践例の動画がいくつも紹介され、劇的な変化を見せる高齢者の様子に受講生たちからは驚きの声があがりました。

 伊東先生からは、「自分たちの日常ケアが、ケアする側の都合で構築されていないかを再考する機会としてほしい。もしかしたら、ケアを受ける側は意思を捨てて動かされている(ケアする側に合わせている)という見方もできるのではないか。」との問題提起もなされました。また「ユマニチュードそのものの実践や、職場での導入は困難さを伴うが、できることを一つ、明日からの業務で取り組んでみてほしい」とお話されました。

 伊東先生のユマニチュードに関わる研修は、12月12日に東京会場でも開催される予定です。